宮崎県で現地研修会
12月6日~7日は、棚田地域の活動組織の方々や市町村担当者を
対象とした、「現地研修会」を開催しました。
今年は宮崎県田野町の「八重福ふく協議会」と、高原町の「農事組合
法人 はなどう」が研修先です。
「八重福ふく協議会」、鹿児島の棚田地区にも「八重」はありますが、
宮崎県は「はえ」鹿児島県は「やえ」と読みます。
ちょっとした親近感を感じます。
1日目の八重福ふく協議会は、今年から本格的な活動を始めた組織です。
明るく親しみやすい会員さんばかりで、研修を受ける側の私たちも気軽に
会話や質問ができました。
また研修前に婦人部の方々から、数種類のお漬け物や手づくりこんにゃく
の振る舞いがあり、思わぬ歓迎にとても感激しました。
田野町は大根乾しの有名なところ。
稲の掛け干しを作るのも大変だと言うのに、太く大きな竹竿と木を
上手に組み合わせてつくる大きな干し棚にびっくりしました。
毎年大根の時期には棚をつくり、終われば解体するのだそうです。
高齢者にはとてもたいへんの作業だと思いました。
室内研修会では、お盆過ぎに開催される「八重福ふくフェスティバル」や
「農業体験農園」「郷土料理研修会」の内容や開催状況の説明を受けました。
とても今年から活動をはじめた組織とは思えない、規模の大きな活動でした。
役員の方から面白く楽しく話される失敗談や苦労話は、参加者にとってとても
参考になったと思います。
まだまだ改善点が多いが、みんなで力を合わせ、活気ある集落にしたい
と話される顔から、熱い思いを感じました。
2日目は高原町の農事組合法人「はなどう」の代表者 黒木氏に
活動状況の説明を受けました。
高原町と言えば、霧島の新燃岳の噴火により火山灰が降る「ボラ地」で、
決して農業に適した地区とはいえません。
平成17年に営農組合を設立したが、組織運営に限界を感じたため、
平成20年に農事組合法人を立ち上げました。
組合員の農地を預かり管理しながら、6次産業化に積極的に取り組み、
この地でも耕作できるものは何か? これを売り出すには、どうしたらよいか?
毎日毎日、考え、勉強し、人とのネットワ-クをはり、今では様々な商品
を作り全国へ発送する組合になりました。
黒木代表の話を聞いていると、頭良いな、アイディアマンだな、人の心や
立場をよく理解してくれる人だな、と感心させられる事ばかりでした。
ピンチはチャンス、発想の転換、短所を長所に。
人との交流を大切に。毎日元気に前へ。
失敗を恐れるな。やらないと始まらない。
まさしくこれを実行した人だと思いました。
よく過疎化の進む集落に必要なものは、
「若者・よそ者・馬鹿者」と言いますが、本当にそうだと思います。
このような人たちがたくさん現れたら、もっと農山村は明るくなるのでしょう。
今回の現地研修会で、参加者がすこしでもやる気を持って、今後に活かし
てくれたらと思います。