外国からの視察
とうとう鹿児島にも、外国から視察の方がお見えになりました。
棚田学会と交流のある、「国際テラス農地景観連盟」の代表4名。
8月上旬に棚田学会 馬場理事を通じて依頼がありました。
鹿児島は大きな棚田・棚畑は少ないですが、茶畑や石積の
棚田・棚畑を紹介することにしました。
9月15日(土)
南九州市の後岳の棚畑,指宿市の新永吉の棚田の2ケ所の視察です。
標高約250mにある後岳の棚畑は、見渡すかぎり茶畑が広がっています。
日本の茶畑では珍しくない所々に立つ「防霜ファン」を見て、これは何かと
最初に質問されていました。
ヨ-ロッパ南部地方には霜は降りないのでしょうか。
通訳の馬場理事さんも、「霜?なんだったかな?」と慌てて
記憶を掘り起こして説明されていました。
英語の霜は知らないけど、スペイン語ではhelada(エラ-ダ)と知りました。
くねくねと曲がる棚畑の農道を走り、お茶の栽培、管理、収穫量などを
後岳棚畑の会の村永代表から説明を受け、その後加工所で製造工程の
説明をうけました。
お茶の飲み比べをしたいと、急な要望があり地元の「はまだ」茶業
の社長さんにお願いしました。
快くお引き受けして頂き、深いお茶の香りと味を堪能しました。
次は知覧町から指宿市の新永吉の棚田へ。
好天気のおかげで、池田湖,開聞岳,新永吉の棚田の3つ
が揃いとても素晴らしい風景でした。
きれいな写真が撮れたことでしょう。
畦に鎮座する「田の神様」も、しっかりカメラに納められました。
2日目 9月16日(日)
1日目は土羽の多い棚田・棚畑だったので、石積の八重を紹介しました。
ヨ-ロッパは石積の棚畑が多く、八重の石積に興味をもたれました。
何時代に造られたのか、今後も棚田を存続できるかなど維持管理に
ついての質問をされていました。
八重の棚田の中をもっと歩きたかったようですが、午後には福岡へ
向かわなければならず、急ぎ足の視察になってしまいました。
鹿児島の棚田・棚畑は、ヨ-ロッパの壮大な棚畑とは比べものに
ならない小さなものですが、そこに住む地元の方々の優しい心使いに
感謝されていました。
鹿児島県民でさえよく知らない棚田・棚畑を、外国の方に知って頂き
とても嬉しいでした。
これを機に、外国からの視察者が増えたらいいな。
そうしたら、何かしらの変化が起こるかもしれない。
そんな期待を持たせる、外国からの視察対応になりました。