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棚田現地視察研修会を開催

 9月10日~11日にかけて、棚田の保全活動を推進するリ-ダ-の方々を
対象として、現地視察研修会を開催しました。
 今回は熊本県八代市坂本町の日光(にちこう)集落と、球磨郡あさぎり町須恵の
松尾集落です。

 八代市坂本町の日光集落は、八代市から人吉市方面へ40分ほど車を走らせた、
標高420mの山間地にあります。
 小型の貸切バスで集落近くまで行ったのですが、この先Uタ-ンする場所が無い
と言うことで、途中から歩いて集落の公民館へ行きました。

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 戦国~江戸時代から現代まで保全・継承されてきた棚田を、自分たちの代で終わ
らせてはいけないとUタ-ン者が中心となって、平成25年10月「日光の棚田活性会」
を立ち上げました。    

 集落の方々の熱い思いに、行政やNPO法人の方々も心を動かされ、活動支援を行い
現在に至ります。
 「日光の棚田活性会」の井麻田会長から運営状況等の話を聞いた後、事務局として
活動を支援している「NPO法人ハ-ヴェスト」の山中理事より、支援の内容や今後の
取り組みについて説明がありました。

日光の棚田活性会          DSCN0145

 室内研修の後は、「日光の棚田」(全面積約2ha)の現地視察を行いました。
 棚田へは、集落の方の軽トラック等を使って登って行きました。
 昭和50年頃には18戸の農家が米を作っていましたが、現在では72歳の蓑田さん
1人が、10aの田で米を作っています。
 現地視察研修会に参加された方々の棚田は、機械の搬入路があったり、車で籾を
運び出す事ができますが、人の力だけが頼りの現地をみて、「まだ、私たちは恵まれ
ている。耕作者の根性に脱帽する。」と言う声が聴かれました。 

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 「六方積み」と呼ばれる石積技法や、木の枝等の不要な物が雨水と一緒に、田んぼに
入らないように考えられた「竹ひ」をみて、先人の知恵に驚かされました。

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 2日目は球磨郡あさぎり町須恵の松尾集落での研修でした。
 松尾集落は昭和29年に須恵村の次・三男坊対策で、8戸が開拓入植したのが
起こりです。
 球磨盆地の北側に位置し、四方を山々に囲まれた松尾集落は、「猪・鹿・猿・
あなぐま」の被害に悩まされています。
 ただ柵をするだけでは被害をくい止めることは不可能と思い知らされ、根本から
見直し「鳥獣害の被害ゼロ」を目指し、幾度も対策検討会を開催したそうです。

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 獣の習性を学び、有害獣の侵入口図を作成し、獣道(ウジ)の分布状況を徹底的に
調査し、防護柵の設置を行いました。
 また柵の設置のみにとどまらず、木の枝を使って侵入する猿対策のため木の伐採や、
通電を効果的にするために設置位置の研究も行ったようです。
 このような努力で被害は激減しているようですが、除草や防護柵の補修を怠ると
今までの苦労が無駄になるので、一人一人が自覚して管理をしているそうです。

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 松尾集落には、茶畑内に「天空に咲く遠山桜」として知名度の高い一本桜があり、
桜の時期に「遠山桜祭り」を開催したり、秋には「栗狩体験ツア-」も行っています。

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 また集落で豊富に採れる「わらび」を加工し、「わらびの酢漬け」として販売しています。
お土産に買って帰ろうとしましたが、完売で残念でした。

わらびの酢漬け

 今回2つの小さな山間地の集落を視察して、棚田集落の方々が「棚田の保全、集落の
活性化」に取り組もうと頑張っているのであれば、その声を親身に受け取り、地域と
一体となって支援してくれる、行政の存在が必要だと改めて感じました。
 「やる気をつぶさない」、また「やる気をおこさせる」、そんな棚田担当者が必要だと
思いました。
 

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